猫は自由に室内と外を行き来して当たり前、それも少し前までの話になりつつあります。シェルターから猫を譲ってもらうにも完全室内飼いが条件、というように、最近は猫の完全室内飼いが推奨されています。それでもやはりうっかり、という経験はありませんか?
好奇心旺盛な猫ちゃんは窓から見る外の世界に興味津々で、飼い主さんのちょっとの隙を狙ってするりと出ていってしまうことがあります。家族同然に大切にしている猫ちゃんの脱走は家族にとっても、もちろん猫ちゃんにとっても一大事。
そんな時どうすればいいのか、どう行動すればいいのかと迷う前に正しい対処法を知っておけば、きっと大切な家族である猫ちゃんと再会できるのではないかと思います。ここでは猫が脱走した後に飼い主がとるべき行動と、迷子になる前に室外に出ないようにするための対策をご紹介します!
飼い猫がいなくなった!重要なのは初動と届出
猫が脱走して行方不明になったら、まずいなくなった日にちと時間、出ていった場所を確認することです。日時は捜索していく上で、その時点での猫のいそうな場所のおおよその目安になります。
場所は猫が自力で戻ってくる可能性がいちばん高いので、探すのはまずその場所の周辺から始めたり、戻ってきていないか確認をする上で重要になってきます。
また迷子になった日時も場所も後に保健所や警察署に届出をする上で必要な情報になりますので、メモ等に書き留めておくといいでしょう。初動が早ければ早いほど見つかる確率が高くなるので、猫ちゃんに心細い思いをさせないためにもできるだけ早くに行動を起こしましょう!
【公的機関への行動編】
1 地域の保健所、警察署に届出
まずすべき行動としては、地域を管轄する保健所や警察署への届出をすることです。どちらにも迷子になった猫の写真を持参していくと良いでしょう。私の場合ですが、保健所も警察署も届出と一緒に写真も預かってくれましたので、ぜひおすすめです。
まず保健所ですが、お住まいの地域を管轄する保健所の動物愛護係に届出をします。いなくなった日時や場所、猫の特徴、首輪の有無等、思いつく限り詳しく伝えてください。届出後に見つかった場合は保健所より連絡がありますが、連絡が来ない時はホームページや電話で保護されていないか確認してみましょう。
次に警察署です。こちらもお住まいの地域を管轄する警察署の拾得物係に届出を行なってください。猫は生き物ですが、財布や貴重品等と同じく遺失物として取り扱われます。届出にはいなくなった日時や場所はもちろん猫の特徴等、できるだけ多くの情報を書き込んでください。見つかった場合は保健所と同じく連絡があります。
2 地域の清掃センターに連絡
飼い主として最も考えたくなく悲しいことではありますが、猫が不慮の事故に巻き込まれる可能性も決してないとは言えません。もしも収容されているならば捜索を打ち切る等の対応を取らなければなりませんので、こちらにも情報提供を呼びかけしておきましょう。
ですが希望は絶対に捨てないでください。「うちの子は絶対帰ってくる!」そう信じていればきっと猫ちゃんは応えてくれるはずです!
【個人での行動編 】
1 近所の人へ情報提供の呼びかけ
迷子になった猫で1週間から10日くらいのうちに発見、保護した場所は自宅の敷地内もしくはごく近所の家というのが意外に多かったりします。
ただ、捜索のためとはいえ近所の家に勝手に入ると不法侵入になりますので、その家の方に猫の特徴や首輪の色等をお伝えし、見かけたら連絡をいただくようにお願いしましょう。その時に猫ちゃんの写真を持っていけば、よりわかりやすく確実に情報が伝わると思いますのでおすすめです!
2 動物病院へ情報提供の呼びかけ
猫がどこか別の場所で発見、保護された時にケガや病気をしていると、保護してくださった方が動物病院に連れていってくれている場合があります。また地域の動物愛護団体とも連携をとっている場合もあるので、比較的情報が集まりやすく相談にものってもらえます。私はかかりつけの動物病院はもちろん、少し離れた動物病院数件にも情報提供をお願いしました。
3 チラシの作成、SNSや迷子猫サイト等で呼びかけ
有効的なものとして、チラシやポスターを作成し配布するという手段もあります。配り歩いたり新聞に折り込みを依頼したりするために多めに作っておくと良いと思います。
また、TwitterやFacebook等のSNS、迷子猫専用のサイトに同じ写真を使って投稿するという手立てもあります。ただしSNSは個人情報等の取り扱いに十分気をつけなければならない点と、SNSは家の近辺というごく狭い範囲には浸透しにくいというデメリットもありますので、それを踏まえたうえで用いるならば効果的だと思います。
- 自分で捜索する場合 ☆
縄張り等の理由から猫の行動範囲は決して広くはなく、脱走してまもなくは自宅の敷地内や周辺の物陰でジッとしていることが多いです。まずは自宅の植え込みや縁の下、乾いた側溝、倉庫や小屋の下などを重点的に探してみましょう。
行方不明になってしばらくすると外の環境に慣れ、行動を開始します。室内飼いより室外飼い、去勢や避妊をしていない猫、さらにメス猫よりオス猫の方がより遠くに行く傾向があります。ですがいきなり遠くに行くことはまずありませんので、スタートは家を中心として半径50メートルから、そこから徐々に範囲を広げて捜索しましょう。
< 捜索に必要なもの >
〇好きなおやつ … 匂いや包装の音に反応する可能性がある
〇キャリーケース、バスタオル … 保護した時に必要(再度の脱走防止のため)
〇猫の写真、チラシ … 聞き込みや情報提供をお願いする時に必要
飼い主さんが名前を呼ぶ声にも反応しやすいので、「〇〇ちゃん、おやつだよー」と呼びかけるのも効果的です。こちらの動画でも詳しく説明されていますので、ご参考までに!
迷子猫になる前に迷子にさせないための予防を!
迷子になった猫の捜索は飼い主さんにとって気力、体力ともに消耗しやすいものです。
「お腹空かせてないかな」
「寒い思いをしてないかな」
「ケガしてないかな」
私にも経験がありますが、いなくなった猫ちゃんへの心配や早く見つけてあげたいという焦りは尽きることはありません。そうなる前に猫が迷子にならないように、もし迷子になったとしてもすぐに帰ってこれるように対策をしておくことも大事になってきます。
〇首輪にはネームプレートを必ず取り付ける
ネームプレートには猫の名前、飼い主さんの名前、連絡先を書き込んでおきましょう。
〇GPS付きマイクロチップを導入する
マイクロチップ自体はごく小さいものなので、首輪に取り付けたり動物病院で皮膚の下に埋め込んだりと活用できます。
〇室内飼いでも充実できる環境作り
猫は環境さえ整っていれば室内飼いでも十分に充実した生活を送ることができます。狩りへの本能をおもちゃで遊ぶことで解消させてあげたり、トイレやエサ等パーソナルスペースを清潔に保ってあげることで、猫は「ここなら大丈夫」とゆったりのんびり安心して暮らせます。
上記はほんの一例です。猫の習性や本能、その猫ちゃんの性格をきちんと理解して、家の中でも気持ちよく充実した生活を送れるように整えてあげることで、迷子になる可能性もグッと減ってきますよ!
まとめ:猫が迷子になった時、飼い主ができることとは
家族同然の猫ちゃんが逃げてしまうとどうしても焦ってしまいますよね。ですが、そんな時こそ落ち着いて、猫ちゃんがいそうな場所や心当たりを探してみましょう。意外と近くにいたり、逃げたと思っていただけでもしかしたら家の中で寝ていたりするかもしれません。
もしそれでも見つからず外に出てしまっているならば、飼い主さんよりも猫ちゃんの方がパニックになってどうしていいかわからなくなっているかもしれません。
「うちの子は大丈夫!」
「きっと帰ってくる!」
そう信じて、探して、待ちましょう。飼い主さんのところに帰りたいのは猫ちゃんも同じ、きっと応えてくれるはずです。
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