突然ですが、愛猫が外から戻った飼い主さんの臭いをクンクンと嗅ぎまわることってありませんか?
猫の嗅覚はとても敏感です。外で付けてきたいつもと違う飼い主さんの臭いには興味深々なのでしょう。特に足元を入念にクンクンしてくることがあるかもしれませんが、そのあとポカンとした変顔をしながら放心状態の愛猫を見たことはありませんか?
確かに……靴を1日中履きっぱなしでいれば足は汗で蒸れるし、そりゃそれなりの臭いかもしれません(^^;)ですが、愛猫に放心されるくらい【クサイ反応】をされたらちょっとショックです(/_;)
飼い主さんとしてみれば「そんなに自分の足の臭いってキツイのかな?」と心配にもなりますよね?
そこで今回は「なぜ猫は好んで足元の臭いを嗅ぐのかな?」と疑問に思っているあなたに、猫が人の足の臭いを嗅ぐ理由や、その時に猫が不思議な変顔になる理由についてご紹介していきます。
猫の嗅覚と臭腺について
はじめに、猫の嗅覚と臭腺について説明していきます。
猫の嗅覚
猫は嗅覚がとても優れていて、人間に比べると10万倍ほどあるともいわれています。ちなみに犬は人間と比べて1億倍と、さすがに犬の嗅覚は猫よりはずっと優秀ですね!
人間と猫の嗅覚の比較については、臭いの強さの違いということではなく、猫は人間よりも臭いを嗅ぎ分けられる敏感な嗅覚をもっているということです。
猫同士などでは、お互いの臭腺からでる臭い(フォロモン)を嗅ぎ分ることで縄張りや発情の時期、また臭いから食べ物の安全性などのチェックをしています。猫にとって臭いとは、生活する上でとても重要な情報源といえます。
猫の臭腺とフェロモン
臭腺の場所にもよりますが、猫がスリスリしてくる時の臭腺(耳の内側、あごの下、頬)の臭い=フェロモンは、そもそも「クサッ!」といわれるような一般的な臭いとは違い、人間がほとんど感じることがない微細な臭いです。
また、猫はシッポの付け根、肛門付近にもフェロモンが出る臭腺があります。肛門付近の臭腺は、顔周辺にある臭腺とは対照的で、猫が恐怖心を感じたり興奮した時に発する臭いです。人間にとっては「ものすごくクサイ!」と感じ取れるような濃厚で強烈なものとなります。
これはスカンクと同じ仕組みのようで、興奮したり身に危険を感じたりするときに敵から身を守る手段として備わっているようです。
ウチでもありましたが、愛猫のお腹を撫ですぎた時に(たぶん気持ちが高ぶって)、何度か服にこのクサ過ぎる臭いの元が飛び散ったことがあります。拭いただけでは全く取れないし(*´з`)あまりにも強烈な臭いは、悶絶するくらいの危険レベルのクサさでした”(-“”-)”
猫の肛門付近の臭腺の臭い(肛門腺液)は、日常的にウンチをする時に自然と一緒に排出され、本来臭腺から出る臭いはそれほど多くはないようです。
しかし、生まれつき肛門の臭腺がふさがっていたり、下痢などが原因で臭腺がつまってしまう子もいるようです。臭い(肛門腺液)が溜まっているタイミングで興奮したり恐怖を感じたりすると、かなり強烈で濃厚な臭い(肛門腺液)を発してしまうことがあります( *´艸`)
また、臭い(肛門腺液)が溜まりやすい子の場合は、炎症をおこすこともありますので定期的に処置をした方がいいようです。飼い主さんが上手く処置できればいいのですが、難しい場合は動物病院などで肛門腺を絞る処置をしてもらうといいかもしれませんね!
【↓↓参考に動物病院で行っている肛門腺の処置方法です】
猫が足元を嗅ぐ理由とは?
次に、猫の不思議な行動の中でも「人の足元付近をしきりに嗅ぐのはなぜ?」と「どこで臭いを感じているの?」という疑問について見ていきましょう。
なぜ猫は足元の臭いを嗅ぐの?
猫が人の足元を入念に嗅ぐ理由は、どうやら人間の足の裏の臭いと猫のフェロモンが似ているためだからということです。
フェロモンは普段は感じられないような微細な臭いです。猫は微細なフェロモンを嗅ぎ分けるために、入念にクンクンすることもあるのでしょう。
足元や靴下ばかり嗅がれて心配している飼い主さんも、愛猫はフェロモンを嗅ぎ分けているだけで「強烈にクサイ臭いだニャ~!」と思ってクンクン嗅でいるわけではありませんので、ご安心くださいね( ´∀`)
猫が臭いを感じ取る器官はどこ?
猫が臭いを感じとる器官の一つはもちろん鼻ですね。さらにもう一つ、猫は微細なフェロモンを臭いとして感じ取れるヤコブソン器官といわれる特殊な器官をもっています。
ヤコブソン器官の場所は、上あごの裏、前歯のすぐ後ろにある2ヶ所の穴で、鼻腔の中につながる器官です。そこから微量なフェロモンを嗅ぎ取っているといわれます。
猫が足の臭いで変顔になっちゃう理由とは?
猫が飼い主さんの足元を嗅いでいる途中で、見たこともない不思議な顔の反応に驚いたことはあるかもしれません。
続いては、フェロモンの臭いを嗅いでいる時の猫の顔の反応について見ていきましょう。
フレーメン反応(現象)とは?
フレーメン反応とは、馬、猫、牛、羊、象、コウモリなどの哺乳類にみられる生理現象の一種で、臭いに反応して起こる顔の仕草のことをいいます。
例えば、わかりやすいのが馬のフレーメン反応です。馬の場合は、歯をむき出しにして、いかにも笑っているような顔になるのがフレーメン反応ですね。
【↓↓馬のクンクン~からのフレーメン反応です★何度も嗅ぎなおしたりして……やっぱりおもしろいです( *´艸`)】
猫のフレーメン反応は、口をポカンとあけて目を見開き、《心ここにあらず》状態の放心した変顔になっている時です。この変顔フレーメン反応こそがまさに、猫が真剣にフェロモンを嗅でいる最中の顔なのです。
足の臭いを嗅いだ時以外にも、フレーメン反応に出会った経験がある猫の飼い主さんも沢山いらっしゃるかもしれませんね(^_-)-☆
つまり、フェロモンの臭いを感じ取れる歯の裏のヤコブソン器官に臭いを取り込むためには口を半開きにする必要があるため、口がポカンとあいた状態になってしまうということなのですね。
私が愛猫のお口ポカンをはじめてみたときには、思わず笑いながらも( *´艸`)「なになに??どおしたの?その顔!!具合悪いのー?」と一瞬心配したものです(;^ω^)
口をポカンとあけたフレーメン状態の猫は、かなり集中してフェロモンの嗅ぎ分け中なのですが、飼い主さんからすると愛猫のフレーメン反応はどう見ても可愛くてマヌケな変顔?に見えるので、思わず笑ってしまうことはありますよね( *´艸`)
【↓↓やっぱり「くっさ~」の反応に見えてしまいます( ;∀;)★可愛らしいフレーメン反応の子猫です★笑えます(^_-)-☆】
【↓↓足の臭いだけのフレーメン反応動画をみつけました(^_-)-☆最後の方に登場する猫ちゃんなんて、かなり悶絶して卒倒!!大爆笑間違いありません(^^♪】
猫同士や物に対するフレーメン反応
猫は他の猫のお尻や、オシッコなどマーキングされた場所のフェロモンを嗅ぐことで、自分以外の猫や他の動物の情報などを確認しています。
猫同士でもお互いのフェロモンを嗅いでフレーメン反応をする事がありますが、猫にとってはフェロモンの嗅ぎ分けで、敵、味方を判断しているともいえます。
お互いの縄張りを守ったり、不要なケンカなどを避けるためにも、フェロモンを嗅ぎ分けることは大切な行動だといえますね。
【↓↓妹猫のお尻で何度もフレーメン♪】
猫の好みにもよりますが、マタタビやキャットニップ、その他にも日用品の洗剤や石鹸の他にも塩素系の臭いにフレーメン反応を示す猫もいるようです。
愛猫が好んだり、興味を示す臭いはさまざまだといえますね。洗剤などに興味をもってもフレーメン反応をするだけならいいのですが、なめたり誤飲する可能性がありますので、猫にとっては危険だといえます。
飼い主さんは、猫にとって毒や害にになりそうなものの保管場所には十分に注意しましょう。
まとめ
- 猫が人の足元をよくクンクンする理由は、人の足の臭いが猫にとってフェロモンの臭いに似ているため
- 猫が臭いを感じ取る器官は、鼻の他にもヤコブソン器官と呼ばれる口の中の上あごにあり、そこでフェロモンを嗅ぎ分けている
- フェロモンを嗅ぎ分けている時の、口をポカンとあけた不思議な変顔をフレーメン反応という
猫が人間には理解できないような、不思議と思えるような行動をした時には、猫特有の身体の仕組みが関係しているということがわかりましたね!
「自分の足があまりにもクサイから愛猫が足の裏や履いたあとの靴下を嗅ぐのかな?」とちょっと心配していたあなたも、猫の臭いに対する行動の本当の理由が分かってホッとしたのではないでしょうか。
猫が生きる上でしている大切な行動というのは、猫をさまざまな表情にかえて人に楽しみや笑いを届けてくれています。やっぱり、猫って見ているだけでもホントに魅力あふれる生き物ですよね(^_-)-☆