猫ちゃんがまっすぐにこちらを向いて、しっかりと見つめながら、「ニャーー」と鳴いても、何で鳴いているのかが分からないですよね。
「な~に?」「どうしたの?」と聞いても、強くはっきりとまっすぐに訴えてくるその意味が分からずに途方に暮れた・・なんてことありませんか?
そんな時、猫ちゃんが喋ってくれたらいいのになぁなんて都合のいいこと思ってしまうのですが、残念ながら一部の子たちを除いて猫ちゃんたちは喋れません。
そんな猫ちゃんの率直な気持ちを、どうしたら分かってあげられるのでしょうか?
そのヒントは鳴き声にあることが分かりました。
よく聞けば、鳴き声には幾パターンもあり、その変化球で、飼い主さんへの様々な要求や、喜怒哀楽の感情を伝え、意思疎通を図ろうとしてくれていました。
では、その鳴き声から、具体的にはどのような鳴き方や、込められた意味があるのか、『猫動画の鳴き声』で検索してみて、ここからどれだけ猫ちゃんの気持ちを読み取れるかを、動画を見ながら検証してみたいと思います。
私の古い物置の猫のストーリー
うちの話で恐縮ですが、震災前まで、うちには築100年を超えた古~い物置がありました。ここがたくさんの外猫ちゃんたちの生活の場となってくれて、様々な出会いと旅立ちを幾度も経験させてもらいました。
ある時、よくぞそこまでまん丸くなれるものだと感心してしまうほどの大きなお腹をして物置に出入りしていた母さん猫に出会いました。
それがある日を境にペシャンコなお腹になっているのを見ると、「あ~、生まれたんだなぁ」って、ひそかに「お誕生日おめでとう!」のお祝いをさせてもらったこともありました。
それが偉いことに、とても良いとは言えない環境下で育っていくその子猫たちのどの子も、母さん猫がいない間は鳴かないんです。
けれど、もぞもぞの気配がありすぎて、確かにそこにいることは分かっちゃうのですが、人が近づくと息をひそめて気配を消そうとしている努力が伝わってくるので、気がつかないふりをしていました。
そんな中、三番目にうちにやってきた子は、物置に積まれた肥料袋の間にすっぽりと挟まってしまって身動きできずにいました。
甲高い声でありったけの力を込めて「ミィ~ミィ〜」と鳴いてしまい、その声でお爺さんに発見されてしまった、ドジな赤ちゃん猫でした。
思えば、耳の遠いお爺さんにも聞こえてしまうほどの必死の鳴き声は、「お母さ~ん、たすけて!たすけて!たすけて!」の連呼だったんですね。それこそ必死の思いで、母さん猫に助けを求めたのでしょう。
猫は鳴き声で気持ちや要求を伝える
人間の言葉には含みも忖度もいろいろあって複雑ですよね。ですが、猫の鳴き声はストレートに『猫語』として発しています。
飼い主さんに是非とも伝えたい喜びであったり、必死のお願いであったり、いろいろな気持ちや様々な感情が込められていて、猫ちゃん同士や飼い主さんとのコミュニケーションをとる大切な手段となっています。
お家の中で飼うことが推奨されている今現在の家猫ちゃんたちにとって、人と上手に暮らすために必要となるのが社会性やコミュニケーション能力で、その一つが鳴くことです。
例えば今の生活の中や生きていくうえで切実な問題に対して、『いつ、どのようなタイミングでどこに行けばごはんにありつけるか』『どのような態度、行動がごはんと結びつくか』など、その方法を考えながら生活をしていくうちに発達した能力のひとつと考えられます。
猫ちゃんがなぜ鳴くのか、それは自分の気持ちや要求を伝える手段として、鳴き方を学習して、繰り返し使うようになったためと考えられています。
猫が鳴き声を出すのはどんな時か
猫ちゃんが飼い主さんに対して鳴き声を発してくる時には何かを求めて要求していることが多いので、耳を傾けてしっかりと聞いてあげるようにすると、猫ちゃんの気持ちを理解してあげられるようになります。
〇喧嘩・威嚇している時:シャーッ、ウゥゥゥー、ミャーオ、マーオ
〇不安な時:ニャーーオ、ミャーーオ、ンナー、ニャッニャッ
〇何かに興味を持った時:ケケケ、カカカ、カチカチ
〇発情期の求愛時:アォーン、ナーォ、ニャーオー
何かを訴えていることは分かっても、何で鳴いているのか、原因が分からない「困った!!」を、鳴き方、鳴き声の大きい小さい、高い低い、長い短いから、ある程度察することができます。
加えて、いつ、どんな場面でどんな表情で鳴くか、飼い主さんと猫ちゃんの日々の繰り返しの中で、お互いが学びあい理解しあえたらとても嬉しいですし、猫ちゃんも安心してより信頼を寄せてくれること間違いなしです。
動画で見る猫の鳴き声と気持ち
猫ちゃんは飼い主さんとコミュニケーションをとる時、視覚と音声の両シグナルを使っていると言われます。
ですが、動画ではその両シグナルを十分に活用して、見て、聞いて、より詳細に猫ちゃんの気持ちを知ることに役立ってくれそうです。
猫の鳴き声『 嬉しい時・甘えている時』
クルクル編
「クルクル」と喉を鳴らす音
飼い主さんと猫ちゃんたちが安心して穏やかに暮らしていくためには、避妊や去勢が避けられないのが現状です。
この動画のような猫ちゃん母子の風景を目にする機会は、ごくごく限られた人たちに与えられた特権のようなものです。
人に対しての鳴き声ではありませんが、この幸せのクルクル音、昔子供の頃に飼い猫が赤ちゃん猫を生んだ時に聞いたことを思い出しました。
母さん猫が無償の愛情を子猫たちに注いでいる場面で聞くことが出来る最高のなごみ音。映像と共に、優しい気持ちになれます。
ニャーン編
高めの声で「ニャーン」
鳴き声の高さは猫ちゃんの気持ちがわかるポイントのひとつで、普段より高い声を出すのは人の気を引きたい、甘えたい気持ちの表現です。
この動画の子のように飼い主さんに甘えたかわいい高めの声で鳴く時は、「ごはんくださいよ~」「遊んでよ~」「撫でてほしいなぁ~」といった甘えやおねだりの鳴き声です。
見た目も120%くらいかわいいこむぎちゃんに、こんな風に鳴かれたらまいっちゃいますよね。この後、たっぷり遊んでもらったそうですよ。鳴き落とし作戦、大成功です!
ニャッニャッ編
普段通りの声の高さでで短く鳴く「ニャッニャッ」は控えめな主張や挨拶
猫ちゃんの鳴き声が普段と変わらずなら、強い主張ではなく「~してくれたらいいなぁ」といった控えめな主張であったり、人同士の挨拶やそのお返事に近い感覚での鳴き方です。
アニャン(?)ちゃんのように、朝起きた時に「ニャッニャ」と短い声で鳴くのは上機嫌な証拠で、飼い主さんの「おはよう」に答えての挨拶でしょう。
こんな風に「おはよう!もうすぐごはんだにゃ」とルンルン気分のお返事が返ってくるこの動画からは、いつもこんな風に話しかけられながら幸せに暮らしている猫ちゃんの様子と、日ごろからの飼い主さんの優しさが垣間見られます。
サイレントニャー編
サイレントニャーとよばれる鳴き声を出さずに「(ニャー)」と鳴く仕草は、音無し極上の挨拶で、甘えMAXな気持ち
19歳の時の動画のアミ太郎君、20歳を迎えて元気にしてくれているかな?
穏やかな表情から連発されるサイレントニャーは、飼い主さんへの限りない愛情が感じられます。幸せな人生(猫生)の時間を過ごしてきたのでしょうね。満足感すら感じられます。飼い主さん、すごいですよ!!
猫の鳴き声「喧嘩・威嚇している時」
シャーー編
低めの音で主張をアピール
唸るような「シャーー」や低く大きい声での「ウゥゥーー」など低めの音は強い感情をあらわしており、して欲しいことや、やめて欲しいことなどの強い感情を伝えてきます。
上の動画のリキちゃん、動物病院で大怒りで、威嚇しまくっています。猫ちゃんはしつけが難しいので、記憶力が弱いと思われがちですが、動物病院などで嫌な思いや怖い思いをすると、かなり長い間覚えています。
動物病院に限らず嫌なことに関しては、とてもよく覚えているので気を付けた方がよさそうです。
下の動画の子は、はっきりと耳を寝かせ、一触即発の本気モードの威嚇で迫力があります。怖いんだよね。見てる方も怖いです。
猫の鳴き声「不安を感じている時」
ニャーーオ、ンナー編
低い声で長く大きく「ニャーーオ」「ンナー」
リキちゃんは人の行動をよく観察しており、情報認識能力に長けた子のようで「大好きなパパの姿が見えない!」と不安な気持ちになっているようです。
分離不安になっている場合、低い声で長く大きく鳴くことがあるようです。リキちゃんも大きい声で呼んだら、パパが気が付いて出てきてくれるかもと期待鳴きしているのかもしれません。出てきてくれてよかったです。
皆さんのお宅の猫ちゃんも、あなたの外出直後や帰宅時間直前、こんな声で鳴いているのかもしれませんね。
ニャ、ニャ編
短い「ニャ、ニャ」「ニャッ、ニャッ」
何で急に怒るわけ?ってこの展開にパニックになっているようです。
このような不安や恐怖のときも、挨拶と同じように短く「ニャ、ニャ」(確かにワンワンとも聞こえます)と鳴くことがあります。こんな大きい子にぐいぐいこられたら、ひいちゃいますよね。
猫の鳴き声「何かに興味を示している時」
カカカ編
口を小刻みに動かして出す独特な音、クラッキング
これは、窓の外の鳥を見つけたり、動きのある虫などを発見した時、狩猟本能から興奮した際に出す鳴き声と言われます。
「捕まえたいけど捕まえられない!」といったもどかしい気持ちが、このような短い独特のリズム音として出てくるようです。ユニークですね。
猫の鳴き声「発情期」
ナーォー編
大きなダミ声で「ニャーオー」「ナーオー」
本能からくる発情期の猫ちゃんの鳴き声は、信じられないくらい大きく、力強く、止めようがない騒音の域に近いものがあります。
ましてや、自分のうちの猫ちゃんが絡んでくると飼い主さんは焦りまくります。「お願いですから、鳴かないでください!!」と懇願しても、まったくの別世界にはまり込んでおりますから無力です。
どうにも止まらないあの大音量を夜中じゅう、繰り返し何度も聞くはめになります。
注意したい猫の鳴き声
★何もしていないのに急に唸る
うちに来てしばらくした大風の日に、突然唸りだして、金切り声で鳴きだした子がいました。まったく訳が分かりません。動物病院でみてもらったところ、驚くようなことを言われました。
「この子は生まれて間もないころ、おそらく高い所から落とされた可能性があります。それも一度ではなく何度も意図的に。そのため背骨に異常をきたしているようで、ヘルニアかと。成長が止まるまで相当痛いはずです。」と。
そう、「痛い!痛い!」のSOSだったんです。
このように、悲鳴のような鳴き声や何もしていないのに唸る時は、病気やケガなどの痛みを訴えている場合があります。鳴き方が普通じゃないと感じた場合は、早急に適切な対処をしてあげてくださいね。
まとめ
猫ちゃんは「ニャー」だけではない様々な鳴き方に加えて、声の高低、強弱、長短で変化を持たせ、場面に応じて、伝えたい気持ちを上手に表現してくれていました。
それをどれだけ飼い主さんがキャッチできるようになれるかは、お付き合いの長さ、深さもありますが、今は猫ちゃん動画を『鳴き声』で検索してみると、様々な場面での鳴き方を表情や動きとともに見ることが出来ます。
「なるほど!」と腑に落ちる場面はとても参考になり、何で鳴いているのかの解決につながるチャンスにあふれています。
猫ちゃん動画を見るときに、わざわざ『鳴き声』で検索する機会は少なかったかもしれませんが、こんな便利でお役立ちツールを使わない手はありません。
鳴き声動画で愛猫ちゃんの正直な気持ちを忖度出来るようになる可能性は十分にあると思われます。どんどん活用して、愛猫ちゃんと会話する楽しみを味わうのもいいものですよ。
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