猫の鳴き声といえば「ニャー」や「ニャアン」というイメージがありますよね。実際猫を飼っている方でもいちばん耳にする機会が多いのではないかと思います。
ですが思い出してみてください、この鳴き声を聞く時猫ちゃんはどういう行動をしているでしょうか。
私も思い出してみましたところ、うちの猫は「おやつだよー」と呼びかけた私の足に擦り寄りながら「ニャアン」と甘えたような鳴き声を発していました。
「ニャッ!」
「ヴー…」
他にも日常で聞く鳴き声とそのシチュエーションを思い出していくと、そのどれもが猫の感情表現だったのです。
それはつまり私達人間でいう言葉。
会話はできなくても猫が私達に伝えてくる言葉に意味があるのであれば知ってみたくはありませんか?
だって、猫の言葉、鳴き声の意味を理解していなかったら、飼い主さんが勝手に勘違いして猫にストレスを与えてしまったり、猫ちゃんとの関係がうまくいかなくなる原因にもなっちゃいますよね。
飼い主さんが猫ちゃんの気持ちを読み取って、ストレスのない猫ライフを送ってもらえるようにすれば、猫も飼い主さんも相思相愛でハッピーになれますし、飼い主さんに出会えて本当によかったと思ってもらえれば、きっと楽しい猫ライフを送りながら長生きしてくれるでしょう。
ここでは鳴き声の種類からわかる猫の気持ちをご紹介します。
鳴き声の意味がわかれば猫ちゃんとの生活がきっともっと楽しくなりますよ!
そもそも猫はなぜ鳴くの?鳴き声を発する理由とは
犬に比べて感情表現が乏しいとも言われる猫ですが、意外にも感情豊かでしっぽや喉鳴らしなどのいろんな方法で自分の気持ちを表現しています。
その中のひとつとして『鳴き声』という表現方法があるのです。
元来単独行動を習性とする猫が家族や仲間を呼んだり、敵や縄張りに侵入してきた他の猫を遠ざけたりする時に鳴き声を変えると言われています。
室内飼いが推奨される今は室内での多頭飼い等で単独行動も難しくなり、人間と共に生活していくうちに呼ぶ相手が猫から人間に変化しつつあります。
ですが猫の本能もまだまだ健在です。
発情期のオスがメスに求愛したり、子猫に触れようとする飼い主さんを母猫が威嚇したり。
後者は私も経験がありますが、母猫の子猫に対する愛情があればこその表現なのです。飼い主としてはショックなことこの上ないですが(笑)。
このように猫の鳴き声は『呼ぶ』と『遠ざける』に大きく分類され、そこからいろんな種類の感情表現に繋がっていくのです。
『猫なで声』に『サイレントニャー』!?鳴き声の種類別猫の喜怒哀楽
《 喜び、甘えの鳴き声 》→ 『呼ぶ』鳴き声
〇「ニャー」「ニャアン」と高く鳴く →「撫でて」「構って〜」「遊んで!」
いわゆる『THE猫なで声』は甘えていたり喜んでいたりする時の鳴き声です。撫でてほしい、構ってほしい、遊んでほしい、と甘えて鳴くのです。一緒に喉鳴らしをしているのでそういう時は時間の許す限りできるだけ構ってあげましょう。
〇「ニャッ!」と短く弾むように鳴く →「わーい!」「やったぁ!」
瞬間的に喜びの気持ちが高まった時の鳴き声です。
うちの猫はごはんやおやつ、おもちゃで遊ぶことを呼びかけるとこう鳴きます。テンションあがりすぎてピョンピョン跳ねたりするのですごくわかりやすいですね。
〇「プルルル…」と鳴く →「構って〜!」
この鳴き声は『トリル』という猫独特の鳴き声です。構ってほしい気持ちを前面に押し出して甘えてくる時に発します。
また「プルニャ〜」という甘え声の合わせ技もありますので、その時はこちらも全力で構ってあげましょう。
〇「(ニャー…)」と声に出さずに「ニャー」と鳴く → 喜びMAX、「お母さーん」
声に出さずに「ニャー」と鳴くことを『サイレントニャー』と言います。これはこれ以上なく喜んでいる、または子猫が母猫を呼ぶ時の鳴き声です。
うちの猫で他の猫が寝ている時におやつを独り占めできてご満悦だった子がサイレントニャーをしたことがあるのですが、ほぼ聞き取れないくらいのかすかな声でした。
《怒り、威嚇の鳴き声》→『遠ざける』鳴き声
〇「シャー!」「ヴゥー!」と激しく鳴く →「近寄らないで!」「攻撃するぞ!」
縄張りの中に他の猫が入った時や苦手な相手と対峙した時の威嚇の鳴き声です。この鳴き声を発した時に手を出したりすると強烈な猫パンチがとんでくることがあるので注意しましょう!
〇「グルルル…」「アォ〜…」と低く唸るように鳴く →「近寄らないで!」
こちらも同じく威嚇の鳴き声です。先程の激しい鳴き声よりも音が小さい分、こちらのほうが若干理性が残っています。ですが危険なことには変わりありませんので、手を出したりしないよう注意してください。
〇「ギャッ!」と突然鳴く →「痛い!」「ビックリした〜!」
例えば猫同士でケンカをして引っかかれた時や私達が間違ってしっぽや手足を踏んでしまって痛がっていたりビックリしている時の鳴き声です。
私がうちの猫によくやってしまうのですが、この鳴き声の後に「痛かった…」とジトーっと睨まれたりします。
また獲物を見つけて興奮している時も「見つけたー!」とばかりにこの鳴き声を発します。
〇「カカカッ!」「ケケケッ!」と鳴く →「見つけたー!」「なかなか捕まらない!」
この鳴き声は『クラッキング』という鳴き声です。
室内飼いの猫が窓の外に獲物を見つけた時や、獲物がなかなか捕まらずにイライラしている時にこの鳴き声を発します。
《 悲しみ、不安の鳴き声 》→『呼ぶ』鳴き声
〇「ニャ〜…」「ンナー…」と細く鳴く →「誰もいない…」「さみしい…」
飼い主さんがいない時や仲の良かった猫がいなくなった時など不安な時に発する鳴き声です。
この鳴き方で高めの声であるなら「帰ってきてくれないかな〜」と期待しているという意味になります。
〇「アッ」「ニャッニャッ」と短く鳴く →「ここどこ?」「なにするの?」
キョロキョロしながらこの鳴き声を発すると不安がっている時だという意味です。動物病院で診察台に乗せられた時にいちばんよく聞くことができるのではないでしょうか?
またこの鳴き声は「やあ」「こんにちはー」といった挨拶の意味もあります。
《 楽しい時の鳴き声 》→『呼ぶ』鳴き声
〇「ンニャオ〜」と高く大きく鳴く →「素敵なお相手はいないかな?」
人間の赤ちゃんの泣き声にも似ているこの鳴き声は発情期で相手を探している時の鳴き声です。年に3回程ある発情期の時によく聞かれますね。オス、メス共に大きく鳴きますが、どちらかというとオスのほうが大きい傾向にあります。
〇「ンー」と口を閉じて鳴く →「なぁにー」
互いによく知った猫同士や飼い主さんの呼びかけに返事をする時の鳴き声です。警戒心を解いた状態なので寝転んでいたり毛づくろいをしていたりと無防備な状態にある時によくこの鳴き声を発します。
またこの鳴き声にはその他にもいろいろな意味があり、「遊び足りないよ〜」という不満や「構って〜」という甘えの鳴き声でもあります。
こちらの動画では思わず「可愛い〜!」と言ってしまうような甘え声から「あっ、ちょっとこわい…」と思うような威嚇の鳴き声まで、いろんな種類の鳴き声が紹介されていますよ!
まとめ:鳴き声と言葉、会話は可能か不可能か?
言語が違う、そもそも種族の違う猫と人間が会話をすることは『ソロモンの指輪』や某ネコ型ロボットの『翻訳コンニャク』でもないと無理な話。
私もこの記事を書くまでそう思っていました。
ですが鳴き声の種類を調べてみると「ああ、あの時はこう言ってたんだ」「そういえば…」「待てよ、あの時も…」とうちで飼っている猫にも当てはまることが多々思い出されてきました。だいたいそういう時は表情や行動もどことなく嬉しそうだったりちょっとイラッとしてたりするんですよね(笑)。
猫とのこのままの状態での会話はたしかに不可能かもしれません。けれど猫との関係を深めていくうちに、猫は私達にいろんな表情を見せてくれるようになります。
その中で発してくれた猫の鳴き声は猫にとっての『言葉』なのです。
いろんな表情を見る機会が増えていく度にいろんな言葉を聞く機会も増えていき、それを飼い主である私達が理解するというのは何とも素晴らしいコミュニケーション方法ではないでしょうか。
そしていつか、そう遠くない未来で猫と会話できる日がくるかもしれませんね♪
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