あなたは、何かを手放せないことで悩んだ経験はありませんか?
いわゆる依存というものです。依存といえば、タバコやお酒が有名ですよね。ほかにも携帯電話の依存症もよく聞きますね。依存症は人間だけではなく猫でもなり得ることです。
今記事では人間の愛猫依存と猫の飼い主依存についてご紹介します。
依存とは
依存とは体や心のいずれか、または両方を対照に、依存することで気持ちを支えている状態のことをいいます。依存状態を自分でコントロールできなくなる(やめられなくなる)ことを依存症と呼ぶようです。
依存症というとおおげさに聞こえますが、依存症はとても身近なものです。例えば、心の支えにしているものや気晴らしにしていること、のめり込んでいるものなどで、それ無しでは生きていけなくなるのが依存症です。
飼い主による愛猫依存
飼い主さんの多くは愛猫さんが大好きだと思います。飼いたいと願う方も猫さんが大好きですよね。私もうちの猫が大好きです。昔から猫が好きでしたが、飼い始めてさらに好きになりました。うちの愛猫は我が家の中心です。
あなたは、猫を心の支えや毎日の癒しにしていませんか?
飼い主さんにとどまらず、近所の猫さんや猫カフェに推し猫さんが居る方もいらっしゃるかもしれません。日々を猫さんに癒されているあなたは、猫に依存しているなんてことはないでしょうか。
猫を飼っていると、猫のことを考えるのは普通のことです。飼い主さんは愛猫の生活を守る立場ですから、猫を大切にして問題があるわけはありません。ただ、猫のことを考えすぎる事は、人間にとっても猫にとっても危険な状態になる可能性があります。
猫依存の危険
自分の社会生活よりも猫を優先してしまう人は、高確率で猫依存症といえるでしょう。あなたは、猫のために人からのお誘いを断ったことはありませんか?
猫は習慣を大事にする生き物です。毎日の行動パターンを守ることは猫の平穏な毎日を守ります。ですが、行動を制限することは、人も猫も精神を消耗します。
猫依存症の方は「猫と一緒にいるのが幸せ」と感じている傾向にあるので、自身が行動を制限しているという感覚が薄くなるようです。
特に、自分が何かを制限し我慢しているという感覚がないためか、中には精神の消耗を感じない方もいますが「猫のために尽くす幸せ」といった感覚は、その人の視野を狭めていきます。猫以外の幸せを求めなくなったら極めて危険です。
猫が好きなあなたは「“猫に尽くす”ことの何が悪いの?」とお考えになる方もいらっしゃるでしょう。もちろん、本来はとても良いことです。ただ、尽くし過ぎると、お互いにとってマイナスになってしまうことがあるのです。
猫は非常に感受性が強い生き物です。特に毎日一緒にいる飼い主さんの気持ちや精神状態、体調までも感じ取ってしまいます。飼い主さんが愛猫さんに依存していると、愛猫さんも感化されて飼い主さんに依存してしまうこともあるのです。
飼い主として愛猫に頼られるのはとても嬉しいことですね。ですが、依存はとても苦しいものです。飼い主さんが居ないと不安で不安で仕方なくなる状態を、家で待つしか出来ない完全室内飼いの愛猫さんが抱えるのは地獄です。
猫さんによっては飼い主さんの愛情が重いと感じる子も居るでしょう。静かな生活を望む猫に人がベッタリすることも、その猫にとっては苦痛でしかありません。
猫への依存度チェック
猫依存症は自覚症状が乏しいので簡単なチェックリストをご用意しました。当てはまる項目が多い方はお気を付けを!
- 在宅中は猫がそばに居る
- 自分の快適さよりも猫の快適さが重要だと思う
- 猫が視界にいないと心配になる
- 猫のためなら多少の我慢は大したことない
- 外出中も猫のことを考えてしまう
- 何をしていても猫がどうしているのか気になる
- 猫の自慢をたくさんしたい
- 猫が心配で外出の誘いを断ったことがある
- 猫と出会ってから友人や知人と出掛けることが減った
- 猫と出会ってから猫グッズが増えた
- 猫が居れば自分は大丈夫だと思う
- 猫より大切なものは存在しない
- 猫が居ないと生きていけない
予防方法
人が猫依存症になってしまうと、発症した状態からの改善は予防よりもずっと辛いことになるでしょう。ですのでそうなる前に予防することが大事です。
- 生活を猫に合わせすぎない
- 自分に自信を持つ
- 猫以外の趣味を見つける
- 猫の気持ちを尊重する
- ストレスをそのままにしない
猫のために、と気を張りすぎていませんか?1度冷静に、愛猫さんの気持ちを考えてみてください。愛猫さんも飼い主さんを心配しているかもしれませんよ。
もしも可愛い愛猫さんとの生活にストレスを感じてしまったら、我慢しないで猫以外のことで解消しましょう。我慢することは解決の先延ばしにしかなりません。
依存からの脱却は大変です。重症化したり、猫さんに影響する前に普段の生活を少しずつ改めていきましょう。自分ではどうしようもないと感じたときは、友人やお医者さんを頼りましょう。決して恥ずかしことではありません。
愛猫による飼い主依存(分離不安)
猫の分離不安とは、飼い主さんがほんの少し離れるだけで不安になってしまう猫さんの精神状態のことです。猫における飼い主依存症といえるでしょう。
以下、分離不安症になってしまったときの症状をまとめました。
- ずっとついてくる
- 激しく鳴く
- 少し離れただけでパニック状態になる
- 興奮して落ち着かない
- 飼い主さんが居ないと暴れてしまう
- 乱暴になる
- トイレとは別のところで粗相してしまう
- 必要以上のグルーミング
- 自身の体を噛んだりする
予防方法
人間には猫の行動の意図や心を想像することしかできませんが、分離不安症を発症するのは、飼い主さんの猫依存症同様に飼い主さんを一生懸命に想った結果なのでしょう。ならば尚更、辛い想いはさせたくないですよね。
人間の依存症治療と同じく、分離不安症の改善は大きな我慢と苦痛を伴います。愛猫さんを分離不安症にしないために出来ることをまとめました。
- 普段から構いすぎない
- お出かけ前にあまり構わない
- お互いにとっての快適な環境を整える
- ストレス原因を取り除く
- 急に長時間の留守番をさせない
長時間のお留守番は急に決行するのがダメなだけでお留守番させてはいけない訳ではありません。お留守番に慣れていない子には、短時間から徐々に慣らしていきましょう。猫さんのお留守番の際はゴハンとお水のご用意も忘れずに。
猫さん1人で遊べるアイテムや他の猫さんと暮らすことでも予防には効果的かもしれません。また、多頭飼いに踏み切る際には愛猫さんの性格や相性を見極めてあげてください。
予防や対策をしても解決できないときには、慌てず獣医さんに相談してみましょう。
↓分離不安と思われる猫さんが鳴いている動画です。
まとめ
- 飼い主や愛猫家は猫依存を自覚していないことが多い
- 猫依存症は飼い主さん、愛猫さん双方に危険
- 猫の分離不安症は猫における飼い主依存症ともいえる
- 依存症も分離不安症も予防が無難
飼い主さんの愛猫依存症と愛猫の分離不安症は、いつか来る別れのときには大きな傷となってしまいます。毎日の楽しみの全てがある日突然失われることには、誰もが耐えられません。愛猫への愛や飼い主さんへの愛ゆえに遺された側が心身の不調を来すことは、遺してしまった側も望んでいないはずです。
私も愛猫に愛情を注ぐことや、愛猫に愛情を向けられることはとても幸せですし、愛猫のためならなんだってしたいと思えます。あなたも大切な愛猫さんのためには、依存しないことを意識していきましょう。
飼い主さんが他のことに目を向ければ、愛猫さんもこれまで知らなかった楽しみを見つけてくれるかもしれません。楽しみが多いとお互いの日常が豊かになることでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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