猫を撫でていると「ゴロゴロ…」とどこからともなく聞こえてくる音と振動、猫を飼っている方であれば感じたことがあるのではないでしょうか。
このゴロゴロの名前は『喉鳴らし』、猫科の動物にみられる習性なのだそうです。それでは『喉鳴らし』はどういう意味や理由があるかご存知でしょうか?
喜び?嬉しい?そもそも撫でている時にしか聞かないのでは?
いいえ、猫のゴロゴロにはいろんな意味があるのです!
あなたの家の猫ちゃんは喉を鳴らしている時にどう思っているのか気になりますよね。それにそもそもどこから鳴っているのか、『喉鳴らし』というくらいだから喉からに決まってるのでは?
実際顎の下を撫でていると手に振動がくることから喉で鳴っていると思いがちですが、それは本当かもしれないしもしかしたら違うのかもしれませんよ。
ここでは猫の習性『喉鳴らし』の意味やメカニズムについて解説します!
不思議な『喉鳴らし』、なぜ猫は喉をゴロゴロ鳴らすのか?
そもそも猫はなぜ喉鳴らしをするのでしょうか? その理由は意外にも生まれた直後からにあります。
子猫が家で生まれた、という飼い主さんには経験があるかもしれません。 子猫がお乳を飲んでいる時や母猫に舐めてもらっている時、かすかにではありますが『クルクル…』『コロコロ…』と聞こえてきたことはありませんか?
実は猫は生後2〜3日から喉鳴らしを始めるのです。 目も見えない、耳も聞こえない子猫が喉鳴らしをする理由、それは『母猫とコミュニケーションをとるため』です。
母猫がお乳や排泄のために自分に近寄ってきた時、子猫は母猫の振動と匂いのみで存在を認知します。そして、その時に喉を鳴らして「ここだよー」「元気だよー」とアピールするのです。 人間でいうと赤ちゃんが母親に笑いかけることに相当します。
お乳をもらっている間は自分の身体が母猫に押し潰されないように、また母猫に自分の存在を知らせるために喉を鳴らします。 音と振動の両方で存在をアピールすることで、母猫に安心感を与えているんですね。
成長していく段階で喉鳴らしの意味は変わっていき、私達のよく知る『撫でている時』や『嬉しい時』、さらには『ごはんやおやつをおねだりする時』や『飼い主や他の猫へのあいさつ』等にも使われるようになります。
大きくなっても母猫のお乳をねだるように寝床の毛布をふみふみしながら喉を鳴らしているのをよく見かけますが、あれは『気持ちが子猫に戻って甘えている時』だそうですよ。
また、それとは逆に『不機嫌な時』や『緊張している時』、『ケガをしている時』、『亡くなる直前』等、マイナスの感情の時でも喉を鳴らします。
病院の診察台に乗せられた時に喉を鳴らしたり、仲の悪い猫と遭遇しケンカになる直前だったり、ケンカや不慮の事故でケガをしたり、亡くなる直前だったり。 不快や不満を感じている自分を落ち着かせたりする役割もあるようです。 そういった時は低く唸るだけではなく、喉も一緒に鳴らしているのです。
〈 喉鳴らしの意味 〉
〇子猫の時期
母猫とのコミュニケーション
母猫に存在を知らせて安心させる …などなど
〇成長してから
子猫の時の名残り
喜びや幸せを感じている
不快、不満、緊張の表れ
気持ちを落ち着かせる
死期が近い …などなど
一口に『喉鳴らし』といってもいろんな意味があるんですね!
不思議な『喉鳴らし』、メカニズムと意外な効果を大検証!
『喉鳴らし』というくらいだから喉から鳴っているんじゃないの?とお思いの方、実は喉からではなく違うところから鳴っているのかもしれませんよ。この不思議な『喉鳴らし』は、今現在でもそのメカニズムは解明されていないのです。
以前から考えられている上記3つの仮説のうち、有力なのは仮説その③の喉頭説です。喉がゴロゴロ鳴っている時に筋電図で検査をしたところ、咽頭の筋肉が細かく伸縮をしていることや息を吸う、吐くの呼吸の間に一瞬止まることがわかったそうです。
ですが世の中には病気等の理由により喉頭切除の手術を受けた猫もいて、その猫達も喉鳴らしをすることができたことから、イマイチ確証は持てていません。
その他にも喉の奥にある軟口蓋が動く説や動脈の血管壁に血液があたった音という説もありますが、そのどれも確証に至るものはないのです。
未だにメカニズムが解明されていない猫の『喉鳴らし』ですが、その効果というのは解明されているようです。猫の喉鳴らしの周波数はおよそ20〜50ヘルツという低周波で細かい振動。 この低周波は骨密度を高め、骨折の治癒を早めると言われています。
実際猫は骨折の治癒速度が他の動物より早いそうで、なんとそのスピードは3倍! 他にも骨の形成を促したり骨を強化したりと新陳代謝を活発にしてくれるのです。
もちろんそれは猫ちゃん本人だけでなく、近くにいる私達にも同じように良い影響を与えてくれます。
実はこのゴロゴロ、骨だけでなくホルモンバランスをも整えてくれるのです!!
この低周波は自律神経に働きかけ、幸せを感じた時に出るセロトニンというホルモンの分泌を促すと言われています。セロトニンにはリラックス効果があります。 猫が不安や緊張で喉を鳴らすのには自分を落ち着かせてリラックスさせるという意味があるのです。
仕事や家事で疲れた時、ストレスがたまった時、猫ちゃんを抱っこしているだけで癒されるというのはあながち間違ってないということになります。
まさに『にゃんこのゴロゴロセラピー』ですね!
こちらの動画はたくさんの猫ちゃんのゴロゴロが詰まったセラピー効果バツグンのオススメ動画になります♪
まとめ:『ゴロゴロ』でつくる愛猫とのwin-winの関係
まだまだ謎の多い猫の『ゴロゴロ』。 メカニズムはわからなくても猫にとっての大事なコミュニケーションツールであることには違いありません。
この記事を書いている横で子猫が母猫にお乳をもらいながら喉を鳴らしているのですが、「これは「ここにいるよ」「お乳をちゃんと飲めてるよ」と母猫に知らせているんだなあ」と感慨深い気持ちになりました。
そんな姿や甘えてゴロゴロと喉を鳴らしているのを見ると可愛らしいことこの上なくて、日々の疲れやストレスもどこかにいってしまうようです。
それはまぎれもなく猫が私達に与えてくれる癒し。 気を許してくれている飼い主さんだからこそ、猫ちゃんは『ゴロゴロ』で応えてくれているのだと思います。
猫ちゃんの性格や個性、体調や状態を理解し、安心して暮らせる環境を作ってあげることでより猫ちゃんとの絆が深まることでしょう。
これこそwin-winの関係、これからもどんどん猫ちゃんとの絆を深めていきましょう!
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